
上場企業
サイボウズ株式会社
上場企業
導入前の課題
・従業員が1000人を超え、労務業務が比例して増大していた
・専門家に聞くほどでもない小さな確認事項が多くあった
・従業員からの問い合わせに回答する際に、不安を感じることがあった
導入の効果
・知っていることの根拠付けができ、回答に自信を持てるようになった
・小さな確認業務がすぐに済むことで、業務スピードが大幅に上がった
・自社独自の制度以外の、法律に関する確認業務が効率化した
サイボウズ株式会社は、「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念のもと、「kintone」をはじめとするチームワークを支援するためのグループウェアを提供している会社です。
kintoneを活用した情報共有の効率化がある程度できている環境で、全社をあげたAI活用の流れにあわせて導入されたHRbase。
今回は、いわゆる人事労務業務を担当しているWorkstyle Design部から大内秀希さんと米谷真里奈さんに参加いただき、HRbaseで解決できた課題と、労務チームの目指す姿についてお聞きしました。
Workstyle Design部で人事労務業務を担当
どのような体制で労務業務を行っていますか?
米谷
Workstyle Design部は、労務基盤の安定運用を行う労務チームと人事制度の企画立案などを担当するプランニングチームの2チームからなる組織です。
私は中途入社でサイボウズに入り、Workstyle Design部の労務チームに所属しています。

大内
私は新卒入社で、今年で9年目になります。現在は米谷と同じくWorkstyle Design部 労務チーム所属で、持株会や子会社支援などを担当しています。財務経理部から異動してきて5年ほど経過しました。
米谷
サイボウズは日本各地に拠点があります。Workstyle Design部には東京オフィスに所属するメンバーが多いですが、 東京以外の拠点に所属するメンバーもいます。リモートワークもしていますが、東京オフィスにはメンバーの誰かが必ず出社しているように、出社日を分担しています。
大内
まさに私は普段、松山オフィスにいて、今回は社内イベントやこの取材対応があったため東京に出張してきました。「チームの生産性とメンバーの幸福の両立」が前提になるので、条件マッチングに至るコミュニケーション次第ではありますが、働く場所の選択を含め、働き方としては柔軟な組織かと思います。

HRbase導入の背景
労務チームの皆さんは、サイボウズ株式会社の株式会社HRbaseへの出資をきっかけにHRbaseのサービスを知っていただいたということですが、はじめの印象はいかがでしたか?
大内
サイボウズはグループウェアを開発する企業として、社内でも「kintone」をはじめとした自社サービスを活用し、業務基盤を整えています。また、AIについても社内ガイドラインに則る範囲で、積極的な活用が推奨されています。私は新卒からサイボウズにいるので他社と比較することはできませんが、ツールを活用した業務環境はすでにそこそこ高いレベルで整備されているのではないかと感じています。
そのような背景から、HRbaseに興味を持ったのは自然な流れでした。確かに出資先という関係性がきっかけではありましたが、社内でAI活用が広く推奨されていること、そしてインターネット検索よりも確実性の高いAIが私たちの仕事の効率化に貢献してくれると確信したことが、導入の決め手となりました。
米谷
サイボウズには多様な働き方のメンバーが在籍しています。 1,000人を超えるサイボウズの社員数は、今後も増加が見込まれています。人数規模の拡大に伴い、多様な働き方も維持しながら、労務業務もさらに複雑化・増大していくことが予想されます。
これまでもプロセスの改善には取り組んできましたが、事業成長に耐えうる体制を再構築するべく、人事内でも精査を進めています。その中で、増加する業務に対応するための効率化は、避けて通れない重要課題となっています。
初めてHRbaseにログインされたときの第一印象はいかがでしたか?
大内
まず、直感的に操作できるUIが非常に好印象でした!
AI機能だけでなく、基本機能もシンプルにまとめられており、必要な情報にすぐにアクセスできますよね。
米谷
UIももちろんですが、搭載されている資料もとてもわかりやすいと感じました。たとえば「労務管理ガイド」では、イベントを選択するだけで次に必要な情報が体系的に提示されます。フローも図式化されており、わかりやすさへのこだわりが随所に感じられます。
HRbaseで知った、AIの便利さ
労務アシスタントAIを実際に使ってみて、いかがですか?
大内
私はもう、ブラウザを立ち上げると同時にHRbaseも起動する設定にしています!
何か疑問が生じたときは、整理されたプロンプトを組むのではなく、人に話しかけるような感覚でラフにAIに質問するのが私のスタイルです。
HRbaseのAIは自分の考えのブラッシュアップのための「壁打ち相手」として最適で、さらに返ってくる答えには正しい根拠が付いてくるため、非常に心強い存在です。今ではわからないことがあればAIに聞くことが当たり前になり、もはや相棒のような存在になっています。
米谷
使い始めると、自分が困ったときにすぐに聞けるAIの便利さを実感しています。
顧問社労士の先生に聞きにくい初歩的なこともすぐに回答が出てきますし、念のための確認事項などもAIに確認することができます。
これまで時間を使っていた業務が早く進むようになり、専門家による監修済みの関連資料も表示されるので、労務アシスタントAIも多く活用していますね。
労務管理ガイドで労務業務の全体像を把握
米谷さんには、HRbaseでお気に入りの機能がありますか?
米谷
はい。私は実は導入前から、労務アシスタントAIはもちろんですが、「労務管理ガイド」などのAI以外の機能に特に魅力を感じていました。
それはどうしてでしょうか
米谷
労務チーム内では業務を細分化して分業制にしているため、一人ひとりが労務業務の全体像を把握しにくいのではないかと思っており、「労務管理ガイド」を使うと、全体像の把握に役立つと感じていました。
実際、どのように活用されていますか?
米谷
たとえば新卒でWorkstyle Design部に配属されたメンバーを業務アサインする際、
「この作業は何のために必要なのか」を理解してもらうために、まずは労務管理ガイドを読んで、疑問があれば先輩社員に相談してもらうようにしています。
なんとなく「作業」としてこなしてしまいがちなタスクにも意味があることを知ってもらえるので、重宝しています。
労務マガジンはチームで共有
労務マガジンもよく読んでいただいているということですが・・・
米谷
労務マガジンはとても参考になります!
自分のインプットのためだけではなく、記事のテーマに関連する業務を担当するメンバーに共有することもあります。
大内
労務関連の情報はけっこう難解で、読み解くのに労力が必要なことが多いです。しかしHRbaseの労務マガジンは、正確さを保ちつつもポップな文体で書かれているため、すっと頭に入ってきます。メンバーからも「読みやすい」と好評です。
米谷
先日配信された「育児休業給付金」の記事は、給付金がいつまで受け取れるかという、現場で混乱しがちなことがわかりやすくまとめられていましたね。「これはわかりやすい」と思って、すぐにチーム内で共有しました。

一番の価値は、自分の回答の確証を得られること
HRbaseで、業務のどの部分が効率化できましたか?
大内
弊社では顧問社労士の先生ともkintoneでやり取りをしており、レスポンスもかなり早くいただけるため、恵まれた環境ではあると思いますが、顧問社労士の先生に確認するほどでもない・・・といったレベルの質問はやはり出てきます。
HRbaseのAIにより、専門家に聞くべき「本当にわからないこと」ではなく、「これで合っているかな?」という自分の確証を得るためのプロセスが大いに効率化された、というのを感じています。
米谷
不安なことや、うろ覚えのことをAIに聞き、「そうそう、これでよかった」と納得できると、自分の回答に自信が持てますよね。そのプロセスをハイペースでこなしていけるため、結果的に自分の業務スピードは大きく上がっています。
大内
気軽に利用できて、すぐに根拠のある回答を得られるので、自分の中で「大丈夫そう」だと思ったとしても、念のためAIに聞くようにしています。たとえば「振休の取得期限に、法定の要件はなかったよね?」など、知っているけれどお墨付きが欲しいというときにどんどんAIを活用しています。
法律に関する部分は、HRbaseに任せられる
サイボウズは働き方や制度も先進的かと思います。そのような企業の労務チームで、HRbaseはどのような役割を果たしていますか?
大内
日々多種多様な問い合わせを受ける中で、労務チーム内では回答に迷ったらいつでも相談し合える体制となっており、全員で内容を共有しています。以前は知識のあるメンバーからの回答や、各自調べた結果の共有が行われていましたが、最近は「HRbaseの労務アシスタントAIではこのように出力された」という共有方法も増えてきました。
ただ、法律的に正しい回答がわかっても、さらに我々の企業風土や、制度が生まれた歴史のような要素も加味した回答をしなくてはいけないケースがあります。そのときは背景を意識しながら、最適な回答ができるようにしています。
米谷
弊社には「サイボウズならでは」の制度も多く、たとえば有給休暇も法定基準より多く付与していたりします。前提として、法律ではどういう制度となっているかがわからなければ、納得できる回答がつくれません。
労務知識があるだけでは、いい仕事ができませんね。
大内
そうですね。新卒でWorkstyle Design部に配属されてくるメンバーにも、サイボウズの風土が醸成されてきた背景や、独自の人事制度を運用することでどのような結果を目指しているかなどをインプットしてもらえるように取り組んでいます。
労務管理には、法律を守るという最低限の部分と、会社ごとにプラスオンする部分がありますよね。その「法律を守る」部分をHRbaseに助けていただき、チーム全員が「サイボウズの労務担当者」として成長できるようにしたいと考えています。

事業に大きく貢献できる労務チームを目指して
労務担当者として意識されていることを教えてください
大内
「労務管理」といいますが、私は「管理ではなく、支援でありたい」と考えています。法務や経理なども含めた事業支援部門として、ビジネスの成長を止めてはいけない、ということを常に意識しながら業務を行っています。
特に法改正対応などは、労務チームが最後の砦です。その部分はしっかりガードしながら、会社の「ビジネスをこう進めたい」というパッションには極力寄り添っていきたいです。
事業全体を支援できる労務チーム、まさにこれから求められる姿ですね。
大内
会社の勢いに対して、リスクを排除しつつ、スピードを削がないかたちで最善の道に誘導できるような支援を心がけていきたいと思っています。
米谷
人事労務という立場から、事業に大きく貢献できるチームにしていきたいですね。
大内
サイボウズの「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念に対し、私たちWorkstyle Design部の属する人事本部は、「チームワークあふれる”会社”を創る」という理念を掲げています。
チームワークあふれる社会を創ろうとしている会社は、チームワークにあふれていないとダメですし、その環境をつくるために正しい労務管理が必要だと考えています。正しい労務管理の実現のため、今後もHRbaseを充分に活用させていただきます。

HRbaseがサイボウズ株式会社さまの目指す姿の実現をサポートできれば幸いです。貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。