菊川シール工業株式会社
導入前の課題
・業務部長の定年退職によるノウハウ引継ぎと、属人化の解消が急務だった
・法改正も多く、情報収集にかかる時間とストレスが大きかった
・情報の不正確性が、従業員へ情報を伝えるときの不安を生んでいた
導入の効果
・正確で効率的な情報収集ができるようになり、心理的な負担が減った
・精度の高い資料で、内容理解と説明時の不安が解消された
・法改正が増加しても、業務を内製化できる見通しが立ってきた
菊川シール工業株式会社は、輸送用機械器具メーカーNOK株式会社のグループ企業として静岡での生産を担っている工場です。2012年に静岡地区の3社が統合し、70名から300名規模になりました。
数度の統合を経験し、大きな役割を果たしてきた業務部長が定年を迎えるタイミングで、属人化の解消とより強固な内製化の構築を目指して導入されたHRbase。
今回は業務部長の伊藤さん、副部長の野川さん、副課長の落合さんにHRbaseでどのような課題が解決できたかと、活用方法などをお聞きしました。
業務の橋渡しのタイミングで導入したHRbase
どのような体制で労務管理を行っていますか?
伊藤
業務部門6名、環境安全部門4名という体制で人事労務業務を行っており、外国人従業員が多い地域柄、翻訳通訳を行うメンバーもいます。
私は約20年間にわたり、統廃合の対応も含め多くの経験を積ませてもらいましたが、今年度に定年を迎え、現在は再雇用制度で働きながら引継ぎ業務を行っています。

本日は、伊藤さんと共に労務管理業務を行っているメンバーの方にも同席いただいております。
野川
私は元々はISOなどの環境関係を担当していました。伊藤の定年にあたり業務部門へ移ってきましたが、人事労務のキャリアはまだ2年と浅いです。
落合
私は会社統合の前から労務を担当していましたが、統合によりこちらの本社にやってきました。私自身、20年以上前に2回の育休を経験していますが、現在の制度はその頃とはまったく変わっており、驚くことも多いですね。その制度をきちんと従業員にも伝えていかなければと思っています。
導入のきっかけは、資料の精度の高さ
HRbase導入のきっかけを教えてください。
伊藤
facebookで、HRbaseの「労務管理 お役立ち資料」をダウンロードしたのがきっかけです。ちょうどキャンペーン中ということで5種類の資料が手に入ったのですが、そのわかりやすさに驚きました。
(※HRbase注 当時配布されていたのは、【2025年産育休・年齢早見表】【年間業務カレンダー(法改正付き)】【男性の育児休業制度7つの活用ケース】【案内文作成支援AIツール】【育児休業手続きまとめ】の5種類です)
野川さんと落合さんは、初めてHRbaseの資料を見たときにどうお感じになりましたか?
落合
知りたいことをネット検索し、さらに必要な情報を探すのは大変です。それがHRbaseならほしい状態で資料化されており、ありがたいと感じました。

野川
同感です。業務を引き継ぎ始めた頃から、情報収集に大きな時間を使っていました。ChatGPTも使っていましたが、やはり正確な情報が手に入るとは言えません。
導入前にHRbaseのミーティングに参加して精度の高さを知り、助かるなと感じましたね。
伊藤
弊社には顧問社労士がおらず、労務管理はすべて内製化しています。しかしこれだけ法改正が増えてくると「そろそろ限界だな」という思いもありました。
働き方改革以降、法改正の頻度が増し内容も複雑になっていますよね。
以前は規定の条文を改定する程度であったものが、個々の企業にあった対応が求められるようになってきました。 定年延長義務化や2025年度の育児介護休業法改正で、それをいっそう感じたところでもあり、HRbaseの導入に踏み切りました。
課題は「調べもの」のストレス
HRbase導入前の一番大きな課題は何だったのでしょうか。
野川
情報収集にかかる労力です。厚生労働省のホームページや、分厚い冊子を片っ端から読んでも、断片的な情報しか見つからずに時間がかかっていました。
しかしHRbaseには、ひとつの業務に対する関連資料が多く搭載されています。広い視野で社内規定や法改正に対応できるのがよいところかと思っています。
調べものにストレスがかかっていたのですね!
野川
しかも私はまだ経験が浅いため、どの情報がどこにあるかを探すところから始めなくてはいけません。ネット情報も正しいかどうか判断ができないという課題がありました。
情報に偏りが出るのも困りますよね。たとえば育児介護の手続きばかりやっていると、その他の法改正に抜け漏れが出ているかもしれませんし。

落合
そうですね。
法改正の多さに自分の理解が追いつかず、準備をして、説明して、申請して・・・という流れの中で「何が必要か」をずっと考えているような状態です。男性従業員の育休取得もまだ事例が少なく、私の経験も少ないため、対応に時間がかかってしまいました。
伊藤
コロナ禍以降はオンラインセミナーが増え、半日かけて現地で得ていた情報がパソコンの前で手に入るようになってきました。オンラインセミナーはネットよりも最新の情報が聞けますし、レジュメをもらえることも多いため、情報収集という点では大きく変化したと感じています。
しかし日常業務もある中、限られた人数で法改正情報をキャッチアップし、仕組み化の方策も検討していかなくてはなりません。そのスキルは一朝一夕には身につかないもので、まさに属人化された領域です。私はそこに課題を感じていました。
HRbaseは、常に新しい発見がある「飽きないツール」
現在は業務部門の5名の方がHRbaseを活用しているということですが、皆さんのHRbase 活用シーンを教えてください。
野川
私は、メールで新着のお知らせが届くと必ずチェックしています。今の業務に直接関係がなくても、知識向上になると感じています。
あとは、労務アシスタントAIで「このような規程がほしいけど、どのような懸念点があるか?」「従業員からの想定質問は?」などの壁打ちをすることもあります。
落合
私は労務管理ガイドをよく使っています。手順やポイントが掲載されており、知りたいことが連なって出てくるので、すごいなと思っていて・・・本当に全部書いてあるんです!
落合
たとえばこの「早見表」はネットでも探せますが、いちいち日付を打ちこむのは面倒です。でもHRbaseの早見表は見やすく、手元にあると本当に便利だなと感じています。

それからこの「育休資料」も使いやすいです。私のところには「パパ育休を取りたいが迷っている」という相談もやってくるのですが、説明に抜け漏れがあってはいけませんし、HRbase の資料通りにお伝えすれば大丈夫!と思えるのは安心です。

伊藤
HRbaseでは、労務管理ガイドを解説するオンラインセミナーも開催されていますよね。参加させてもらいましたが、理解がより進みました。
参加後、「詳しい資料はないのかな」と思ったのですが、よく考えるとユーザーであればログインすればすべての資料が手に入りますよね(笑)あくまで一般の方向けに開催されているのだとは思いますが、ユーザーにとってもありがたい機会です。
(※HRbase注 ガイドセミナーはユーザー以外の方も視聴できる形で定期的に実施しております)
労務管理ガイドは労務管理担当者の方から高く評価いただいている機能です。野川さんもお使いになっていますか?
野川
労務管理ガイドももちろん使います。手続きの分岐も丁寧に示されていて、手続きフローで迷うことが少なくなりました。それ以外も労務マガジンや労務アシスタントAIなど全般的に活用しています。どの機能からでも情報に簡単にアクセスでき、精度が高いので安心です。
労務アシスタントAIは、労務管理以外の業務にも対応できるようになってきましたよね。
新しい機能が増えて、毎日見ても飽きないツールだと感じています。
調べものの時間と心理的負担が軽減
「調べものの課題」は、HRbaseで解決されましたか?
野川
「何から探そう」と考えていた頃と比べると、「とりあえずHRbaseを見よう」と思えるようになったため、心理的な負担が大きく減りました。
落合
一番不安だった「間違ったことを伝えてしまう不安」が減ったと感じています。従業員は、情報がたくさん書いてある資料を渡されても理解しにくいと思います。だからこそ、私が噛み砕いて、HRbaseの資料を活用しながら伝える工夫をしていこうと思っています。
引き継ぎの課題は解決されましたか?
伊藤
引き継ぎのためにマニュアル整備を進めていますが、いつでも正しい情報が調べられるHRbaseがあり助かっています。
これからの時代は、AIやツールを活用しながら自分たちで制度を検討し、運用をしていく必要があるため、HRbaseはその助けになってくれると期待しています。

労務管理を内製化している企業におすすめ
皆さんの展望を教えてください。
野川
若い世代に受け入れられる会社でありつつ、今頑張っている30~40歳以上の従業員にとっても働きやすい仕組みを提供できる会社でありたいと考えています。現在は再雇用者の労働条件の見直しなども進めており、平等性を重視しながら、よい制度を考えていきたいですね。
落合
私も、長く勤務できる環境をつくりたいです。そのためにも従業員が知りたいことを正しく伝えられる存在を目指したいです。
HRbaseは、どのような企業におすすめですか?
伊藤
人事労務をすべて内製化している企業がどれだけあるかわかりませんが、自分たちで業務を担っている会社には、私たちと同じ悩みがあると思います。これだけ法改正が頻繁で複雑になってくると、何かしらのサポートが必要になってくるはずです。そのときHRbaseは役に立つのではないでしょうか。
野川
1人が多くの業務を兼務している中小企業におすすめできると思います。業務が多いと、やはり調べものに時間を割くことが難しいですから。
伊藤
それから、HRbaseのような仕組みがあればメンバーの成長スピードも早くなると感じています。昔のような「10年15年かけてやっと1人前」という時代ではなくなってきていますし、若い世代はどんどんツールを活用すべきではないでしょうか。
さまざまなツールが生まれることで、私たちも従業員も利便性は向上しています。人間ができる人事労務の領域は何だろうかを考え、そのスキルを磨いていけるような時代になっていくとよいですね。

HRbaseが菊川シール工業株式会社さまの目指す姿の実現をサポートできれば幸いです。貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。