
株式会社真誠
導入前の課題
・約290名分の労務管理を2名で担当しており、制度や規程の改善にまで手が回らない状況だった
・属人化により、担当者が変わると業務が止まるリスクが大きかった
・法改正対応や制度変更に関する調べ物に、2〜3時間かかっていた
導入の効果
・業務負担が軽減され、現在の体制でも制度や規程の改善を進めやすくなった
・属人化の解消が進み、担当が変わっても引き継ぎやすい体制が整ってきた
・2〜3時間かかっていた調べ物が15分で終わるなど、業務が大幅に効率化された
株式会社真誠は愛知県の食品製造会社です。グループ会社含めた約290名の人事労務管理を2名で行っており、人手不足による業務遅延の解消と誰でも正しい人事労務情報を素早く調べることを目的にHRbaseが導入されました。
今回は経営管理本部長の太田さんと、総務チームリーダーの梅村さんに参加いただき、調べものの時短だけではなく、古い内容のまま使われていた社内規程や制度の刷新にも役に立っているというお話をお聞きしました。
課題は、労務管理の法改正に追いつかないこと
株式会社真誠について教えてください。
梅村
株式会社真誠は愛知県に本社を置く食品製造会社で、主に胡麻やきな粉、機能性食品などの製造を手掛けております。

組織は、本体である株式会社真誠がグループ全体の労務を統括し、製造を担う真誠インダストリアル・パークと、『資料館ごまの郷』の運営などを行う真誠プランニングが存在します。全体は、経営管理本部、業務本部、営業本部、生産本部という四本部体制で運営されています。
経営管理本部の中でも、梅村さんが所属する総務チームは何を担っていらっしゃいますか?
梅村
私が所属する経営管理本部 総務チームは、人事労務、庶務、採用、建物保全まで、いわゆる人事総務機能のすべてを担っているとお考えください。
総務チームは経営管理本部長のもと、私を含めて2名体制です。もう1名には社会保険や定型的な書類作成などのルーティン業務の手助けをしてもらっており、私は現場への指示やマネジメントが主な役割です。給与計算もすべて内製化しているのですが、グループ全体で約290名の労務管理を2名で行っているため、正直なところ、手が足りていないのが現状です。
HRbaseに出会う前の課題を教えてください。
梅村
制度のアップデートがなかなか進まないという課題です。
製造の現場には古い体制が残っている部分が多く、法令順守という点で正直グレーな部分もありました。社内慣習として残ってしまっているものも少しずつ改善してきたものの、時代の変化は速く、もっと迅速な対応が急務だと感じていました。
しかし、法改正や働き方のアップデートに合わせた就業規則などの各種規程のメンテナンスや、残業などの労働時間管理、休日休暇制度など確認すべき点は多く、なかなか手が回りません。
社員からの質問が増えてから慌てて対応するという後手後手の対応は、会社への信頼を損ねてしまいますから、総務チームとして早急に解決すべき問題でした。
顧問社労士はいらっしゃいますか?
梅村
はい。いろいろ助けていただいています。
ちょうどコロナ禍の頃に人事制度を変更したのですが、その際は専門のアドバイザーの方にも入っていただきました。
専門家がいるのは心強いですね。
梅村
現場での対応漏れや古い思い込みなども多く、私自身が本質を理解できていなければ、それを社内に浸透させることはできません。人事制度の変更では従業員への説明や理解を得るための調整にとても苦労し、結果として1年以上かかったという経緯があります。
労務管理専用のAIに興味を持ち、HRbaseを導入
人事制度の変更では、調べものもかなり多かったのではないでしょうか。
梅村
その時期は、本当に四六時中インターネットで検索をかけていました。自社でどうすべきかを決めるために他社の事例や平均的な進め方を調べる必要があったためです。納得感も大切ですが、『何を基準に考えるのか』という軸が欲しかったのです。
特に残業代の変更では、どれくらいが適正時間なのか、会社にリスクはないのかといったことを考えながら、延々とExcelで試算を繰り返していました。
そうした経験から、今の人数ではカバーしきれないため、システムの導入が必要になったという背景がありました。
HRbaseの導入を決めた理由を教えてください。
梅村
業務の時短につながると感じたからです。ちょうど自分自身もCopilotなどを使い始めていた頃で、メールの返信文などを作成させて『AIはなかなか賢いな』と感じていた時期でした。
AIは以前から使われていたのですね。
梅村
多少使っていましたが、業務となると古い資料が引用されて出てくるようなAIでは正直使えないなと感じていました。AIはヒントにはなるけれども、自分でネット検索して情報の取捨選択をする方がまだ確実だと考えていたのです。この情報は厚生労働省のサイトにある、といった勘所は自分にありますから。
しかしHRbaseは労務管理専用のAIで、根拠が明確かつ最新という説明を聞いて興味を持ち、上司と相談しました。
AIでの業務の効率化が目的だったということでしょうか。
梅村
はい。とにかく2人しかいない中でやるべき業務が多く、まずそこを解決したかったというニーズです。
さらに、今後経験の少ないメンバーが入ってきたときや、これまでの経緯を知らない者が責任者になったときでも業務が停滞しないような下地づくりも必要だと感じていました。
私自身、総務歴が20年以上あり、会社の規則などを把握できているがゆえに、もう離れられないような状況になりつつあるという属人化も課題でした。顧問社労士の先生も私よりご年配ですから、引退されたときもスムーズな体制を築いておきたいという思いがあります。
上司のおかげで進んだ、AI本来の活用方法
導入後、すぐに活用は進みましたか?
梅村
HRbaseの導入後、私はCopilotのときと同じように文章作成などに活用していたのですが、私よりも上司である太田の使い方が大胆でしたね(笑)。
AI本来の使い方をしていたと言いますか、太田は相当な量の規程をそのままAIに貼り付けて、『この規程の修正点を教えて』などと質問をしていたのです。私は「その量を貼り付けたの?」と驚きましたが、想像以上に良い答えが出てくることが分かり、AIとはそういうものだと実感しました。
私の方がむしろ出遅れたなと感じ、そこからは怖がらずにいろいろと質問をするようになりました。
その件については、太田様にもお聞きしたいです。
太田
経営管理本部長の太田です。私の世代からするとAIは取っ付きにくい部分もありましたが、せっかく導入したのですから、新しいことにチャレンジしてみようと考えました。HRbaseに規程をそのまま貼り付けたり、過去の対応で残していた文面を取り込んで、その適切性を判断してほしい、といった投げかけを行っていました。
思ったより良い回答が得られましたので便利だと感じたのですが、もしかしたら大胆な使い方だったのかもしれませんね。
いえ、AIだからこそ、そのような使い方ができると思います。
太田
『こんなことを聞いたらどうなるだろうか』という好奇心もありましたし、こちらの問いかけが正しくなければ正しい回答は得られないだろうと考え、同じ質問を違う表現で入力してみたりもしています。そうしているうちに、だんだんとAIとの相性が良くなり、問いかけの自分なりのノウハウができてきた気がいたします。
AIの専門知識がなくても、このように工夫をしてくださることでAIはどんどん成長します。何かお役に立った具体例はありますか?
太田
たとえば、2000年に作成した規程を取り込み、2025年の状況に合わせて対応すべきことの優先順位を上げてもらうといった使い方もしています。やはりコロナ禍以降は在宅勤務のニーズなど、社会情勢の変化を踏まえた対策をスピード感を持って行う必要が高まりましたから。
他にも、社員の慶弔見舞い規程がまだ古いままだったため、改訂に向けた検討を進めました。
昔と比べて少子化が進む一方で、子育ての難易度は年々高まっています。そのような社会状況を踏まえ、出産祝い金をはじめとする制度をどのように見直すべきかを検討する中で、HRbaseからのアドバイスは非常に役立ちました。
制度のアップデートに活用いただいているのですね。
太田
規程の見直しなどが今までより短い時間で進むため、非常に助かっています。梅村も多忙を極めており、なかなかアイデア出しやじっくり考える時間を取れていません。そんなときAIが壁打ち相手になってくれると、後回しになっていたことも着手しやすくなると感じており、導入して本当によかったと考えております。
HRbaseで進む、課題解決
人手不足解消と合わせて大きな課題だった「制度のアップデート」も、解決に進んでいるようで安心いたしました。
梅村
はい。まずは既存制度の問題点を上げてもらい、何から改善すべきか、またそのためには何を調べるべきかというプロセスをAIで進めるという流れができあがってきました。
たとえば先日、特定技能の方の寮使用規則を作る機会がありました。以前ならひたすらネットサーフィンをしてひな形をひたすら集め、自社の規程のトーンに合わせてたたき台を作成するという作業に2時間、3時間と大きな時間を使っていました。それが、今や15分で仕上がります。これは本当にすごいことです。
従業員の方にとっても働きやすい環境を提供できそうですね。
梅村
そうですね。また制度の見直しを進める中で、AIの相談履歴が残ることが情報共有として機能しています。太田から履歴を残してあるから見ておいて、という共有を受けることもあります。
労務管理をしているとレアケースも発生します。適用外のことについては都度決める・・・という事例も出てきます。そうなると「過去に誰が、どう回答したか」というデータはとても重要になります。従業員とのトラブルや行き違いの防止にもなるため、HRbaseにはそのあたりを期待したいですね。
応急処置のその先は、後ろの人に課題を残さないこと
まだまだ課題も多いと思いますが、やりがいもあるお仕事ですね。
梅村
はい。総務はどうしても専門職的な匂いがして敬遠されがちですが、これからの時代は労務管理の重要性も増していきますし、HRbaseのようなツールがあることで、効率的で会社に役に立てる仕事というイメージがつくことを期待しています。
HRbaseとしても、今から人事労務のスキルを身に付けられる方に、ポジティブに取り組んでいただきたいと考えています。
梅村
人事労務と聞くと専門職のように思えますが、庶務や採用などを経験したことがある方に少しずつ触れていただくことで、専門性を身に付けていただく土台をつくれたらいいと感じています。
私自身も一からの学びではありましたが、昔はシステムがなく時間がかかりました。そう考えると、今からは育成期間を短くできるのではないかと思っています。わからないことがあったら、まずAIに聞ける環境がありますから。
HRbaseの活用で、これからの労務管理をどうアップデートしていかれますか?
梅村
当面は今の業務過多な状態の解消に取り組み、時代に沿った制度構築を急ぎ進めていきます。HRbaseはそのときの防波堤です。法律に合わせて何をすべきか、今までにないスピードで情報を教えてくれますから。
ただしこの段階は応急処置的なところだと思います。
次は、働きやすい会社づくりに着手したいですね。AIはこれからもっと使いやすくなると思いますし、あと3〜4年も経てば社会もいろいろ変化するでしょう。それに期待しながら、『後ろの人に課題を残さない』というテーマで取り組みを進めていきたいと考えています。
HRbaseで、時代に合った制度へのアップデートを進めていただけることを期待しております。貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。

